看護師から養護教諭へキャリアチェンジを考えている人に向けて、免許状の取得方法や取得可能な教育機関などを紹介していきます。
まず、現在取得している資格によって方法が異なってきます。看護師資格のみ持っている場合は、文部科学省の指定する養護教諭養成機関で1年以上修学することで養護教諭1種免許状を取得できます。看護師と保健師の資格をどちらも取得している場合は、同様の養成機関で6ヵ月以上修学することで取得可能です。なお、養護教諭1種免許状が取得できるのは「北海道大学」「山形大学」「新潟大学」「金沢大学」「岡山大学」「熊本大学」「富山県県立総合衛生学院」の7ヵ所です。学費はいずれも年間30万円程度です。
養護教諭2種免許状を取得する場合、看護師と保健師の資格を持っている人は大学などで必要課程を修了していれば、自治体の教育委員会に申請することで取得可能です。在学時に必要な単位を取得していない場合は、養成機関で単位を取得する必要があります。養護教諭2種免許状に必要な単位は教育職員免許法施行規則66条に定められており、不足している場合は通信教育でも履修可能です。なお、保健師の資格を取得してから10年以上経過した後に養護教諭2種免許状を取得する場合は、免許状の申請から遡って2年2ヵ月以内に免許状更新講習を修了する必要があります。
養護教諭2種免許状を取得済で1種免許状の取得を目指す場合は、養護教諭として良好な成績で勤務した在職年数が3年以上あり、通信制大学などで都道府県教育委員会から指定された10科目を学び、合計20単位を取得する必要があります。養護教諭としての経験がない場合は、養成機関で必要科目を履修しなければなりません。
養護教諭の免許状が取得できる学校のほとんどは通学制ですが、中には通信制の学校もあります。それが「東京福祉大学」「人間総合科学大学」「聖徳大学」「姫路大学」の4つで、いずれも年間の学費は20万円程度です。生徒の区分には正科生と科目等履修生の2つがあり、正科生は「大学卒業を目指す学生」、科目等履修生は「養護教諭免許状取得のために必要な履修科目のみを学習し、卒業を目的としていない学生」を意味します。
養護教諭というカテゴリーにこだわらず、「保健室の先生」として働きたいのであれば看護師資格のみでも可能です。一部の私立学校では、看護師資格だけで要件を満たす場合もあり、その際は「学校保健師」として働くことになります。ただし、求人数が少なく倍率が高い点を十分に考慮しなければなりません。
養護教諭になるためには専門資格を取得する必要がありますが、看護師としての経験を活かしてキャリアチェンジすることも可能です。ここでは、資格の取得方法や必要課程を学べる教育機関を紹介していきます。
養護教諭の求人は数が少ないため、求人が出た際には即座に応募できるように準備しておかなければなりません。そこでおすすめなのが、専門知識を持ったキャリアアドバイザーがサポートしてくれる転職エージェントの活用です。
養護教諭は怪我や病気を抱える子どもたちの処置ももちろんですが、心の問題や児童虐待にも向き合います。子どもの健康を管理するマネージャー的な存在として、一般教諭とは異なる重要な役割を担います。