子どもの健康を守る保健室の先生として、どのような能力が求められるかを把握しておきましょう。怪我などに対する医学的な知識はもちろんのこと、ちょっとした変化を見逃さない観察力なども必要です。
一般教諭とは異なり養護教諭はすべての生徒と接しなければなりません。そのため、学校内を回って授業や部活動の様子を観察し、教諭間で交わされる子どもたちの情報を集める必要があります。常に全体の状況を把握し、異常があればすぐに対応できるように準備しておきます。
またコミュニケーション力や包容力も欠かせません。保健室に訪れる子どもは基本的に何らかの不調や悩みを抱えています。子どもたちの声に耳を傾け、寄り添いながら解決策を導き出します。そのためにはコミュニケーション力が必須であり、それと同時に相手を安心させる親しみやすさも求められます。特に、心の問題を抱える生徒と接する際にはこの力が必須です。信頼して相談してもらえる存在になれるよう、相手が抱えている悩みや不安を受け止めてあげましょう。
すべての生徒が対象となるため、一部の子どもだけをケアすることはできません。心の問題に関しても、「助けてあげたい」と強く思っていても、踏み込んだ対処が禁じられているケースもあります。そこで求められるのが冷静な判断力です。思いついた解決策が必ずしも正解である確証はありません。時にはあまり深入りせずに一定の距離を置きつつ必要に応じて別の職員にバトンを渡すことも必要です。
養護教諭は一人のみの配属であることが多いため、各職員や関係機関と連携して課題解決に取り組む必要があります。問題を抱える子どもがいた場合には担任に教室内での様子を伺い、もし学校だけで解決することが難しければ関係機関と連携しなければなりません。その際もどの機関に連絡するのがベストなのかを判断した上で、できるだけ素早く協力を求めます。スムーズに課題解決に向かえるようにするためには、日頃から人脈を築いておくことも大切です。
また、一人しか配置されていないということはつまり、業務の管理やチェックも自分だけでやらなければなりません。全生徒の健康管理をするので、健康診断だけでも関連書類は膨大な量になります。とはいえ、資料整理だけに注力していては子どもたちと向き合う時間がなくなってしまいます。子どもたちの健康を守るためには、資料整理や業務管理の力も鍛えておく必要があるでしょう。
参考までに、スキルアップに役立つ情報を掲載しているサイトを紹介します。
養護教諭になるためには専門資格を取得する必要がありますが、看護師としての経験を活かしてキャリアチェンジすることも可能です。ここでは、資格の取得方法や必要課程を学べる教育機関を紹介していきます。
養護教諭の求人は数が少ないため、求人が出た際には即座に応募できるように準備しておかなければなりません。そこでおすすめなのが、専門知識を持ったキャリアアドバイザーがサポートしてくれる転職エージェントの活用です。
養護教諭は怪我や病気を抱える子どもたちの処置ももちろんですが、心の問題や児童虐待にも向き合います。子どもの健康を管理するマネージャー的な存在として、一般教諭とは異なる重要な役割を担います。