養護教諭は保健室での応急処置をはじめ、さまざまな業務を担当しています。ここでは、具体的な仕事内容を紹介していきます。
身体測定などの健康診断に関する計画を立て、準備を行います。定期診断の際は医師の手配だけでなく当日の診察結果の記録など医師のサポート業務をすることもあります。定期診断の結果がよくない子どもに対しては経過観察を行い、状態が悪化した場合は適切な処置を施します。日常生活においては、体調不良の子どもをベッドで休ませて健康観察を行い、定期的に学校内を回って衛生管理・指導を行います。
また、インフルエンザなどの感染症を予防したり、感染拡大防止策を講じたりもします。遠足や修学旅行などの行事にも同行し、子どもたちの健康管理を行います。運動会やマラソン大会などの体育関連行事は体調不良が起こりやすいため気が抜けません。
保健だよりや保護者向けの配布物・掲示物などを作成します。学級活動を通じて情報提供および注意喚起を行い、生活習慣の指導も併せて実施します。例えば、朝ごはんの重要性や虫歯予防の方法、手洗いうがいの呼びかけなど、日常生活で気を付けるべきポイントを教えます。場合によっては、教師と連携して性教育の授業を行うこともあります。
子どもたちの突発的な怪我や病気に対して応急処置を行います。医師ではないため医療行為は行えませんが、子どもの状態を観察した上で必要であれば病院に連れていく、あるいは救急車を呼ぶなどの対応が求められます。大きな怪我をした場合、保険申請を行うこともあります。
保健室に訪れた子どもの健康相談を受けます。病気の子どもには生活する上で注意すべきポイントをアドバイスし、担任に状況報告をします。他の子どもにも病気に対する理解を得てもらうための説明をして、すべての生徒が健康的な学校生活を送れるようにケアしていきます。心の問題を抱える子どもから相談を受けることも少なくないため、相手から発せられるサインや変化に素早く気付けるように注意深く観察する必要があります。
中には、深刻な理由でなくても保健室に行っただけで安心感を持つ子どももいます。教室で過ごすのが難しく、保健室で学習をする「保健室登校」が発生するケースも少なくありません。子どもが抱える悩みや状況はさまざまなので、丁寧なケアが必要です。例えば、いじめによって深く傷ついている子どもに対しては理解者として寄り添う姿勢が求められます。状況が深刻な場合には担任や部活顧問、スクールカウンセラーなどと連携して状況改善に向けた取り組みを行います。
なお、一日のスケジュールについては以下のサイトを参考にしてください。
養護教諭になるためには専門資格を取得する必要がありますが、看護師としての経験を活かしてキャリアチェンジすることも可能です。ここでは、資格の取得方法や必要課程を学べる教育機関を紹介していきます。
養護教諭の求人は数が少ないため、求人が出た際には即座に応募できるように準備しておかなければなりません。そこでおすすめなのが、専門知識を持ったキャリアアドバイザーがサポートしてくれる転職エージェントの活用です。
養護教諭は怪我や病気を抱える子どもたちの処置ももちろんですが、心の問題や児童虐待にも向き合います。子どもの健康を管理するマネージャー的な存在として、一般教諭とは異なる重要な役割を担います。